すぎはら眼科内科

Hay Fever花粉症について

花粉症とは

花粉が原因(アレルゲン)となって起こるアレルギーの総称が「花粉症」です。

花粉症とは、鼻腔内に入ってきたスギ等の植物の花粉に対する免疫反応によって鼻水等の症状が引き起こされることをいい、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれます。

花粉症の主徴は、反復性のくしゃみ、水性鼻漏、鼻閉の3つです。高い頻度でアレルギー性結膜炎を合併するため、多くの花粉症患者は目の痒みや流涙も訴えます。

花粉の中でも、「スギ花粉」をアレルゲンとするアレルギーが、「スギ花粉症」です。スギ以外ではカモガヤ、ハルガヤ、ブタクサ、ヨモギなどでも同様の症状を生じます。

花粉症の検査

本人の病歴と症状によって診断されます。希望と必要に応じて血液検査でスギなどのアレルゲンの特異的IgE抗体を保険適応で測定することもできます。

花粉症の治療

① 薬物療法

以下の薬物を使用することで症状を緩和します。内服薬や点鼻薬では改善乏しい場合には注射薬を使用することができます。

ただし、対症療法であるため投与を中止すれば短期間で症状は元に戻り、症状があるうちは薬物を継続していく必要があります。当クリニックでは患者さんの症状に応じて、最適な内服薬、点鼻薬などを処方いたしますのでお気軽にご相談ください。

  • 抗ヒスタミン薬内服

    アレルギー・花粉症の症状であるくしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどは、アレルゲンが原因となり、体内からヒスタミンという物質が放出されることによって引き起こされます。このヒスタミンの受容体をブロックすることで症状を緩和させます。

  • 点鼻薬/点眼薬

    症状が強い場合に内服に追加で処方します。

  • ヒスタグロビン皮下注射

    症状を引き起こすヒスタミンの放出を抑制したり、好酸球の動員を抑制することでアレルギー症状を抑えます。当院では1週間に1回を6回(1クール)皮下注射することにしています。

    効果には個人差があります。最初の1クールで効果が現れる方は一旦様子をみますが、効果があまり得られない方や効果が持続しない方は必要に応じて2クール目の治療を行います。症状が出現する季節の少し前から治療を開始することをお勧めしています。

    なお、このヒスタグロビンは、国内の献血から製造されている血液製剤です。プラセンタと同様の生物製剤になり、この治療を受けたことがある患者さんは献血ができなくなります。また、月経期間中、妊婦、喘息発作時、ステロイド内服中、ヒスタグロビンでアレルギーを起こしたことがある方、2週間以内にワクチンを接種した方は投与できません。

② アレルゲン免疫療法

このアレルゲン免疫療法は、唯一といってもいい花粉症の根本的治療です。

アレルゲンがスギである方には、スギ花粉免疫療法(シダキュア舌下免疫療法)を保険で施行することができます。ちなみに、アレルゲンがダニである方にはダニ免疫療法(ミティキュア舌下免疫療法)を施行することができます。

ただし、すぐに効果が出るものではなく翌シーズン以降に効果が出る治療です。効果には個人差があります。

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参考文献: