すぎはら眼科内科

Colon-Cancer大腸癌にならないために

大腸癌とは?

大腸癌のイメージ

大腸(結腸と直腸を含みます)に発生する癌で現在臓器別の発症数では大腸癌が最も多い発症数であり、女性のお亡くなりになる原因の第一は大腸癌です。さらに発症する方は年々増加傾向にあります。発症しやすい場所は直腸とS状結腸でおよそ大腸癌の60%を占めます。

大腸癌になる原因や予防は?

年齢(50歳以上の方)、大腸癌の家族歴がある方、高カロリー食品の摂取が多い方、過度な飲酒と喫煙が大腸癌になりやすい原因です。

予防する要因は適度な運動、食物線維の摂取、アスピリンの内服が知られています。大腸癌の5年生存率はおよそ70%以上であり、肺癌や胃癌や膵臓癌と比較して高い生存率です。これは早期に大腸癌は発見さえすれば、早期に適切に治療をしてしまうことができ、根治することができるといえます。早期発見のためにはきめの細かい検診が大事です。

大腸癌の発生は?

大腸癌のほとんどは大腸ポリープから発生します。大腸ポリープを早期に発見して摘除をしていくことで大腸癌の発症を予防することができます。また、大腸ポリープ以外の陥凹した病変から大腸癌が発症することもあり、この病変からの大腸癌は進行しやすく注意が必要です。

大腸ポリープとは?

大腸癌ポリープのイメージ

大腸ポリープとは、「大腸の隆起した病変で良性のものと悪性のものは問わないもの」です。簡単に分類すると腫瘍性と非腫瘍性の2種類となります。

腫瘍性ポリープは腺腫と呼ばれ、成長すると発癌し大腸癌になります。大きさが10mmを超える腺腫である場合は腺腫の一部が癌化している可能性は10〜25%です。

もう一方の非腫瘍性ポリープは一般的には癌化することはありませんが、成長して一定の大きさ以上になると腫瘍化し癌化する可能性があるため、大きさや発生した場所によっては切除することが勧められます。

大腸内視鏡検査時に切除すべきポリープが発見された際には、その場で内視鏡による切除が可能です。(日帰り大腸ポリープ切除)ただし、ポリープの数が多い場合や大きすぎる場合、常時内服している薬によっては検査時に切除をしないこともあります。なお、ポリープを見つけた場合はその都度、施行医が詳しく説明し同意をいただいてから行っています。

日帰り大腸ポリープ切除とは?

大腸内視鏡検査の際にポリープを発見したら、その場で切除が可能です。当院では、内視鏡検査を10分程度で行っており、検査と同時にポリープの切除を行った場合は30分程度で終了しています。終了後は少しお休みいただいてからのご帰宅となり、ご自宅で安静にしていただきます。術後の出血などを起こさないために食事内容、アルコール摂取、運動などを1週間程度制限していただきます。

大腸ポリープ切除は安全に施行することができますが、ご帰宅してから突然に血便がでる可能性がおよそ1%あります。その際は当院の電話番号に連絡していただければ夜間でも医師の携帯電話に通話が転送され、緊急時もすぐに対応できるようにしていますので、ご安心ください。

大腸癌の検診は?

大腸癌検診は40歳以上から毎年便潜血反応検査(うんちに血が混じっていないかどうかの検査)を2日連続で行うことが肝心です。

この検査を毎年受け続けることで大腸癌になることを避けることができます。もし仮に便潜血反応検査で1日でも陽性の結果であった場合は必ず大腸内視鏡検査を施行しましょう。また、当院では最初から大腸内視鏡検査による検診も可能です。大腸ポリープがあった場合にはその場摘除することも可能です。

大腸ポリープの無い綺麗な大腸を維持しつづけておけば大腸癌になる可能性は随分と低下させることができ安心です。

まとめ

大腸癌にならないためには、40歳以上になったら1度は大腸内視鏡検査を施行して大腸ポリープのない綺麗な大腸にしましょう。その後に毎年便潜血反応検査をしながら、野菜を多く食べ腸内環境を整えて、適度な運動をして健やかな生活を継続しましょう。

大腸癌検査中のイメージイラスト

参考文献:

  • 大腸ポリープ診療ガイドライン2020