「Apple Watch外来」はApple Watchの心電図アプリケーション等のデータを活用し不整脈の診療に役立てることが目的の外来です。不整脈の存在の疑いや、不整脈の精密検査の必要性の判断、治療の必要性の判断等を行うための専用外来です。
不整脈といっても心室細動や心室頻拍などの致死的な不整脈から、脳梗塞の原因となる心房細動、治療の必要のない心室期外収縮、上室期外収縮、洞性頻脈などあります。また、貧血や甲状腺ホルモンの異常などでも不整脈に似た症状をきたすこともあります。正確な診断のためには不整脈が出ているときの心電図の記録がとても重要です。
不整脈を記録するために様々な種類の心電計があり、通常の12誘導心電図、ホルター心電図、携帯型心電計などの心電図検査がおこなわれています。しかし実際には、「検査の日には発作が出なかった」、「発作が出たが、病院に行くまでに治ってしまった」「状況的に携帯型心電計がうまく記録できなかった」などタイミングよく発作時の心電図をとらえることがなかなかできません。
そこで24時間365日無理なく装着することも可能なApple Watchによる心電図記録が近年注目されています。
Apple Watchの心電図は、「家庭用心電計プログラム」及び「家庭用心拍数モニタプログラム」が家庭医用医療機器として承認されています。その正確性は格段に向上しつつあり、常に身に着けることができる医療機器として有効性が示されつつあります。
厚生労働省:「家庭用心電計プログラム」及び「家庭用心拍数モニタプログラム」の適正使用について
Apple Watchの中の心電図アプリケーションは、利用者の心電図を記録することを可能にし、ご自身の心臓の健康について知りたいと思った時に心拍リズムを記録できます。不規則な心拍の通知機能は、不整脈に最も多い心房細動の兆候を検知するために役立ちます。心房細動は、治療をせずに放置すると、世界で2番目に多い死因である脳卒中につながるおそれがあります。
ここまでの外来受診は無料です。必要に応じて来院をしていただき、心電図、24時間心電図や24時間血圧測定、採血などを施行いたします。(来院して頂き検査をした場合は保険診療での対応となります。)
Apple Watchに代表されるスマートウォッチなどの家庭用医療機器の記録のデータを活用して不整脈の診断に役立てることができます。身近にある医療機器を用いてよりより生活を手に入れるために活用をしていきましょう。